横浜で収納上手な自然素材の家。松澤大竹設計事務所

作品 Works

住宅03 T邸

松澤輝男作品 T邸

横浜の丘陵地に古くから開けた住宅地。南・西が道路の角地。
西側は崖地で道が下っている。1日中日当たりの良い敷地。

ご主人要望の外観は、瀟洒で時代を先取りする、また、気持ちが高揚するような様なイメージで、とのこと。 希望のテーマで、私の目指す、安心・安全・光、風の入る、又、暑さ寒さを防ぎ機能的であることをもれなく盛り込み、 デザインしました。家の形、質感、色の配分をどうするか・・・全体を縁取り、 色のコントラストをハッキリさせる手法にしました。(これはモルタルのクラック防止にもなります)

玄関部分に無垢の板
南よりアプローチし、赤石積の塀の間より入り、ロートアイアンのアーチをくぐりながらスロープを登ると玄関にきます。 外壁の一部に無垢の木を使いたかったので、玄関ドアとその両側の壁が、ぬくもりのあるカナダ杉になっています。 これは年が経つと銀鼠(ぎんねず)色に変化するので楽しみです。

松澤輝男作品 T邸

西側のテラス
ダイニングルームの外はテラスにつながる
道路が下がっているので、そこにテーブルとイスを置けば、遠望の森の緑や夕焼けを楽しみむ癒しのスペースに。 外構にはロートアイアンのアーチを縦横に配し蔓植物を植えました。蔓が伸びアーチになるのが楽しみ。

松澤輝男作品 T邸

ピンク色のリビング
ダイニングより見る(左:リビング、右:玄関)
玄関ドアはカナダ杉の板で、中央にステンドグラスをはめ込んで造りました。 玄関は広くすると物置になりかねないので狭くしています。 中央壁の右はくつ入れ、扉の丸穴は風通しと、郵便物を見るため。 左はクロゼット。幅180センチ、高さ230センチ、奥行60センチの大容量です。 リビング床は無垢フローリング(床暖房) リビング壁と天井は左官塗装仕上で淡いピンク色。 これは薄色(うすいろ)といって、ベニバラで上品に染めました。

松澤輝男作品 T邸

ステンドグラスを渡されて・・・
家のどこかに使って欲しい、とステキなステンドグラスを3枚預かりました。 1枚は共通の玄関、2枚は夫婦それぞれの部屋に設置する場所を作りました。
2階の窓からは明るくやさしい朝日が差し込みます。 ここは奥様の部屋で屋根裏の空間を作らず天井を高くして、一番高い壁の三角の部分にステンドクラスをはめました。 ここから入る光で気持ちよく目覚めます。

松澤輝男作品 T邸

玄関 バリアフリーのアプローチ・玄関の可動イス
タイルで、道路から室内までの段差をなくしたバリアフリー
靴を履くときに座れるのでとっても便利、高さの調節もできる。 ぬくもりのある木製。デザインもかわいい。 いつも玄関床と上り框(かまち)の高さが問題になります。 この家は段差をなしにしました。 靴ひもを結ぶときなどにあったらいいな、と言うことで設置しました。

松澤輝男作品 T邸

扉のないトイレ
ご夫婦の希望で扉のない階段横のトイレ。ビックリな注文でした。 不思議な空間になりました。
床は無垢フローリング、天井・壁:珪藻土、 分電盤を低い位置に半埋め込みにしました。

松澤輝男作品 T邸

木の壁の浴室
1日の疲れを癒し、次の日の活力を取り戻すところ。 一般的に浴室は水に強いタイルやプラスチック、ガラスを使いますが、 これらは癒しには程遠いものなのです。私は自然素材のものを使いました。 ゆっくりと過ごせる、木を贅沢に使っています。
床・腰の水のかかるところは石。 壁・天井はカナダ杉パネル

松澤輝男作品 T邸

小屋裏を生かした寝室の天井
屋根勾配を生かし構造材の梁を化粧で見せています。 棟の梁にシーリングファンを付けて、部屋の温度調整をしています。 壁にステンドクラスを設け、明るく美しい光が印象的です。

松澤輝男作品 T邸

老後に備えたホームエレベーター
このエレベーターはとても小さく、私の知る限りでは最小と思います。 75cm×70cm角のスペースがあれば設置可能です。 重い物を運ぶときや、階段を使いたくないときなど役立ちます。

松澤輝男作品 T邸

新築後のご夫婦の感想
新居での生活を始めて、どのくらい経ったでしょうか。
朝、静かにあがっていくシャッター・・・。 ガラス戸の向こうには艶やかな緑の椿。その前にはワインレッドと紫の花が浮き上がって見え、 幸せを感じるひと時です。 食事の支度をしながら庭の花々を眺めたり、玄関ドアにはめ込んだお気に入りのステンドグラスを眺めたり、 サーモンピンクに包まれた室内の空気が料理をより一層おいしく感じさせてくれ、とても心地のいいリビングです。 モダンでかつ夢見心地のお風呂は我々の老後の健康までも保障しれくれるように使い勝手もよく、 境界のないトイレもなかなか便利です。 夫婦別々もお互いに好きなようにレイアウトして楽しんでおりますし、 飼い猫のペロ・ボブ・チビ太もこの家がお気に入りで、時々大運動会をして楽しんでいます。 夫が道で転んで脚を痛めた時にはホームエレベーターが役に立ち大助かりでした。
私たち二人の為に労を厭わずかかわり続けてくださった松澤さん、奥様に感謝です。 私たち二人の為に幸せを有難うございました。
朝夕には我が家を「この家を見るのが楽しみ」と言って、散歩のコースにされている方と 会話を楽しんでおります。